ID:67563
第3期コレクション展
会場
宮崎県立美術館
MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM
会期
2021 9/18(土)-12/14(火)
展覧会概要
第3期コレクション展 ダイ3キコレクションテン
名品セレクション -名品にみる瑛九と作家たち
宮崎県立美術館では、「郷土出身作家及び本県にゆかりのある作品」「わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作品」「海外のすぐれた作品」という3つの柱にそって作品収集を進め、現在約4,200点の作品を収蔵しています。
ここでは、日本の美術史に大きな足跡を残した国内の作家たちによる作品や、シニャックやピカソなど20世紀の西洋美術を代表する巨匠たちの作品、無意識や夢の世界を描こうとしたシュルレアリスムの作品など、コレクションの中から選りすぐりの名品を、毎回テーマを変えて展示しています。
今回は特別展「生誕110年記念 瑛九展」の開催に合わせ、瑛九と関連するコレクションの名品を紹介します。ピカソやルオーといった20世紀西洋美術の巨匠、瑛九が強く関心を寄せたシュルレアリスムの作品のほか、ともに宮崎で美術団体を結成した山田光春、瑛九が立ち上げに参加した自由美術家協会の作家たちなどによる当館の名品をご覧ください。
宮崎の美術-瑛九と加藤正
明治時代、日本の絵画は急激な社会の変化の中で転換期をむかえます。西洋の表現も取り入れられ、新しい「日本画」を求めた模索が始まりました。この時代に活躍した本県出身の日本画家として、伝統的な狩野派の流れを汲む山水画で力を発揮した山内多門がまず挙げられます。また、同時代に秀麗な美人画で認められていたのが益田玉城です。
一方、本県出身の洋画家では、太い輪郭線と鮮やかな色彩で独自の画風を追求した塩月桃甫が、大正5年に文展(文部省美術展覧会)に入選しています。また、力強い筆づかいで生命力あふれる女性像を描いた山田新一などが中央画壇で活躍しました。
今回は、宮崎県を代表するこれらの作家の作品を紹介するとともに、「瑛九と加藤正」をテーマとしたコーナー展示も行います。本県出身の作家やゆかりの作家による作品の魅力をお楽しみください。
没後10年 坂本正直
坂本正直は、大正3年、宮崎市に生まれた郷土を代表する画家の1人です。
小学生の頃から父親の影響で絵を描くようになり、昭和10年には独立美術協会京都研究所に入りました。その後、美術学校への受験を志しますが、昭和12年、17年の2度にわたって召集を受け、戦地へ赴くこととなります。戦後は宮崎で美術教師をしながら絵を描き、96歳で病に倒れる直前まで大作を制作するなど、作品に向かい続けました。そんな坂本にとって、戦地での経験は、忘れることのできない重要な作品テーマとなっています。
ここでは、坂本の没後10年にあたり、元兵士としての戦争体験をもとに描かれた作品を展示しています。坂本は、戦場で目の当たりにした戦友の死や、戦地に置き去りにされた軍用馬などを画布に描き続けました。正面から戦争の現実を見つめ、悲しみや怒りが表現された作品は、現代の社会に多くのことを問いかけています。
イタリア現代彫刻
第二次世界大戦後、イタリアでは長い歴史の中で培われた表現や造形を発展させた、新たな表現が生まれました。ここでは戦後のイタリア彫刻を主導した3人の作家を紹介します。
マリーニは、イタリアに古代から伝わる騎馬像の影響を受けながらも、現代的な感覚で捉え直し、独自の表現を追求しました。今回紹介する「コンポジション」では、自分自身ではどうすることもできない現代に生きる不安な感情を、馬と騎手の意思が相反し合う緊迫した形態で、造形的に表しています。
マンズーは、宗教をテーマとした作品を数多く制作しています。信仰より形態に惹かれ、中でもカトリック教会の教皇の最高顧問である枢機卿を繰り返し手がけたマンズーは、その威厳を大胆で力強いフォルムによって表現しました。
ファッツィーニは、素材の重量感を感じさせずに人体の軽快な動きをとらえ、優美な曲線により抒情性のあるフォルムをつくり上げました。
後に多くの彫刻家に影響を与えた作家たちによる、それぞれの造形表現をご堪能ください。
- 観覧料
- 観覧無料
- 展覧会ホームページ
- https://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/collection.html
会場情報
宮崎県立美術館 ミヤザキケンリツビジュツカン
MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM
- 会場住所
-
〒880-0031
宮崎市船塚3-210 (県総合文化公園内) - ホームページ
- https://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/
登録日:2021年5月26日