ID:64356
第1期コレクション展 Collection Exhibition Ⅰ
会場
宮崎県立美術館
MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM
会期
2020.4/10(金)-6/23(火)
展覧会概要
第1期コレクション展 ダイ1キコレクションテン
Collection Exhibition Ⅰ
当館の収蔵作品を紹介するコレクション展。郷土作家はもちろん、海外の著名な作家の作品も多数紹介しており、
県外から来られたお客様にも大好評をいただいています。コレクション展は年に4回、多彩なテーマを設けて開催します。
名品セレクション +日本の前衛美術
宮崎県立美術館では、「郷土出身作家及び本県にゆかりのある作品」 「わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作品」 「海外のすぐれた作品」 という3つの柱にそって作品収集を進め、現在約4,200点の作品を収蔵しています。
ここでは、当館のコレクションを代表する作品と、昨年度新収蔵となった森田子龍と井上有一の作品をはじめとする戦後の日本における前衛美術作品を紹介します。名品セレクションでは、人物を描いた作品に焦点を当てて展示しています。写実に基づきながらも、卓越した線描で人物の内面にまで迫った堅山南風。南仏の明るい光のもとで愛する妻の姿を豊かな色彩で描いたピエール・ボナール。奔放でダイナミックな線と記号的なモティーフで描くジョアン・ミロなど、幅広い人物表現をご覧ください。
宮崎の美術 -咲きほこる花々
明治時代、日本の絵画は急激な社会の変化の中で転換期をむかえます。西洋の表現も取り入れられ、新しい「日本画」を求めた模索が始まりました。この時代に活躍した本県出身の日本画家として、伝統的な狩野派の流れを汲む山水画で力を発揮した山内多門がまず挙げられます。また、同時代に秀麗な美人画で認められていたのが益田玉城です。
一方、本県出身の洋画家では、太い輪郭線と鮮やかな色彩で独自の画風を追究した塩月桃甫が、大正5年に文展(文部省美術展覧会)に入選しています。また、力強い筆づかいで生命力あふれる女性像を描いた山田新一などが中央画壇で活躍しました。
今回は、宮崎県を代表するこれらの作家の作品を紹介するとともに、季節によって多彩な表情を見せる花々をモティーフとした日本画や油彩画を紹介します。
本県出身の作家やゆかりの作家による作品の魅力をお楽しみください。
日本の現代美術 -松﨑コレクションから
ここでは、当館の松﨑コレクションから、現在国内外で活躍中の現代美術作家による版画作品を紹介します。
草間彌生は、幼児期から繰り返される幻覚のイメージをもとに網目模様や水玉の反復を描き、独自の作品を制作し続けています。李禹煥は、作家自身が何かを主張するのではなく、物と場の関係を捉え、物の存在自体に語らせることを意図して制作しています。点や線を繰り返し描くシリーズは、描かれていない余白との関係性を意識させます。横尾忠則や日比野克彦は商業美術や舞台美術と結びつき、「絵画」「デザイン」といったジャンルの垣根を越えた活動を展開しました。
美術はしばしば「社会を映す鏡」であると言われます。多くの作家たちは、今生きている世界の有り様に敏感に反応して表現をしています。作家たちは現代とどう向き合ってきたのか。作品に向き合うことで、時代の新たな側面が見えてくるようです。
没後60年 瑛九、点を描く。
宮崎市出身の瑛九(本名:杉田秀夫)は、印象派やシュルレアリスムなどに刺激を受けながらも、写真、版画、油彩といった様々な技法の中で、生涯を通じて独自の表現を模索し続けました。
数多くの抽象表現に取り組んでいた瑛九でしたが、昭和32(1957)年頃から、それまで描いていた形や面の要素が消え、より抽象化が進み、不定形なものが画面を覆っていきます。その後エアーコンプレッサーによる吹きつけの表現を経て、様々な大きさの丸がちりばめられ、その丸がだんだんと微細な点へ変貌します。面や線で描かれていたものが、つながりを解き放たれて点になり、画面の中をうごめくようになります。あたかも光の粒子のような点の1つ1つを、晩年の瑛九は、文字通り身を削りながらカンヴァスに描いていったのです。1日に8時間から10時間もカンヴァスに向かいながら、おびただしい数の点を描くには、極度の精神の集中が必要でした。
妻のミヤ子をして「ただただ絵を描くためにこの世に生まれて来た人でした。」と言わしめた瑛九。その画業の集大成である点描の世界をご覧ください。
ポーズ -人体の美しさ
多くの彫刻家は、解剖学的な形の把握だけではなく、人体の動きを追求し、瞬間の姿勢、重心やバランス、反動などを把握します。
アルトゥーロ・マルティーニの「ピサの女」は、枕を両手で抱え込む姿で眠る女性を、流れるような曲線と量感で表現しています。フランチェスコ・メッシーナの「エヴァ」は、右足を出した静かな立姿を、腰や肩などを連動させバランスを取ることで表現しています。手の仕草や顔の傾きにより、心情が表されています。エミリオ・グレコの「ネレイス」は、手足を折り恥じらうようなポーズを、なめらかな曲面の官能的な美しさで表しています。ペリクレ・ファッツィーニの「少年とカモメ」は、カモメが飛び立つ連続した動きや、駆け出そうとする瞬間の少年の姿勢により、速度や緊張感が感じられます。
動きや感情、人体の美しさを引き出すために、最も適したポーズにより表現した、それぞれの彫刻作品をご覧ください。
- 観覧料
- 観覧無料
- 展覧会ホームページ
- http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/collection.html
会場情報
宮崎県立美術館 ミヤザキケンリツビジュツカン
MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM
- 会場住所
-
〒880-0031
宮崎市船塚3-210 (県総合文化公園内) - ホームページ
- https://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/
登録日:2020年5月20日