ID:60570
中上 清《Theophany-顕現》 Kiyoshi Nakagami "Theophany"
会場
ヒノギャラリー
hino gallery
会期
2019年2月23日 ー 2019年3月16日
展覧会概要
中上 清《Theophany-顕現》 ナカガミキヨシ《Theophany-ケンゲン》
Kiyoshi Nakagami "Theophany"
ヒノギャラリーでは2019年2月23日(土)より「中上清《Theophany-顕現》」を開催いたします。
芸術とは何かを考えてきた。時や場所を超えて成立する条件を考えると、その枠はどんどん緩くなってきて、今は「見てよかった」と、観た人が思えること、それが一生記憶に残る強さを持つこと、になってきている。それを成立させるためには、様々な方法があるかもしれないが。今の私は絵画の形式の中で、光と空間を追うことで、「存在するということ」「見えるということ」の不思議という感覚がそれを可能にしてくれると思っている。-- 中上清
中上清は1949年静岡県生まれの画家です。作家として活動を始めた70年代、時の潮流もともない中上がフォーマリストとしての自覚を持って制作に取り組んでいたことは、当時の作品からもうかがうことができます。続く80、90年代も、作家は自身が導き出したある種の制約の中で絵画作品の探求を試みました。しかし、安定すべき形式は次第に崩れ始め、90年代も後半になると、現在の作風、中上作品の象徴である「光」の原点ともいえる表現が、淘汰され現れ出したのです。そこから20年以上経った今、画歴に比例しその表現はさらに究極化し、もはや中上の手でしか創り出せない絵画の「光」を確立させました。
中上は絵画表現において「光」以上に捉えがたいものはないと考え、また平面に空間をもたらす要素も「光」であり、そしてその顕在を決定的なものにする「闇」であると考えてきました。しかし、作家が求める「光」とは自然光や普段私たちが目にするそれではなく、絵画の中でこそ発生しうる「光」です。その誰も見たことのない一瞬の閃きを、中上はキャンバスとアクリル絵具、そして金雲母によって創出することにたどり着きました。人為の痕跡が見られぬ緊張感をともなった画面は、一見確固不動の規律によって導き出されたかのようにうつりますが、それは作家が初期に試みたような物質的な形式によってのものではなく、実際には重力や風、熱といった自然の力、その秩序に従うことによって成立しています。中上が創り出す絵画としての「光」から、自然のそれと同等の一刹那や崇高さを感じるのは、そうしたプロセスにも起因しているのかもしれません。
ヒノギャラリーでの個展は約2年半ぶりとなります。パリやニューヨークでも意欲的に発表を続け、海外からの注目も高い中上清の作品。今回の「光」はどんな驚きや感動をもって私たちの前に現れるのでしょうか。是非ご高覧ください。
- 展覧会ホームページ
- http://www.hinogallery.com/2019/2039/
会場情報
登録日:2019年3月12日