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村上友晴展 MURAKAMI TOMOHARU illuminated
― ひかり、降りそそぐ
会場
目黒区美術館
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
会期
2018年10月13日(土)~2018年12月6日(木)
展覧会概要
村上友晴展 ムラカミトモハルテン ― ひかり、降りそそぐ
MURAKAMI TOMOHARU illuminated
村上友晴(1938~)は、目黒区在住の日本を代表する現代作家、独自の世界を貫くその姿勢から生まれた静謐な絵画に対して、昨今国際的評価がさらに高まっています。
目黒区美術館では、村上のこれまでの制作の中で、要ともいえる作品を所蔵しています。初期の版画集《PSALM Ⅰ》(1979年)、村上を代表する黒の絵画《無題》(1980・1981・1982年)、《無題》(1985・1986・1987年)、紙に赤と黒の石版による《東大寺修二会》(1990年)、白い紙にドライポイントとニードルによる《十字架への道》(2001年)。本展では、当館所蔵の当館所蔵の作品を中心に新作を加えて構成して、村上作品の世界に触れていきます。
村上は、福島県三春町に生まれ。幼少期は、東京上野界隈に住み、東京国立博物館を庭として親しみ、日本の古美術にも触れています。特に「墨」の表現に興味を持ち、東京藝術大学では日本画を学びますが、1961年に卒業した後は、黒い油彩を用いた絵画世界を追求し始めます。終始一貫しているのは、この黒い絵具を物質として、筆を使わずペインティングナイフで注意深く、密やかに絵具を置きながら画面を作り上げていく姿勢を持つことです。この仕事は、1960年代から現代まで続いていますが、1990年代には紙の仕事に変化が現れ、あらたな表現が展開していきます。それは、白い紙のわずかな厚みの表面に鉛筆やニードルでデリケートな痕跡を残した繊細な作業で、削っていく、消していく、ともいえるその表現は、黒い作品とは対照的であるものの、あたりの空気や光を吸収するほどの力を備えているところは共通しています。
生きるために描く、呼吸をすることと描くことが同じことのように、村上は画面に向かいます。その、静謐で凛とした画面を凝視すると、描き続ける行為として画面に刻まれた気の遠くなるほどの長い時間が、絵具のマチエールの間に折りたたまれていることが見えてきます。作品に向き合う村上の、祈りにもたとえられる深い精神世界を紹介していきます。
- 主催者
- 公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
- 協賛・協力等
- 協力:横田茂ギャラリー
- 休催日
- 月曜日
- 開催時間
- 10:00 ~ 18:00
- (入館は17:30まで)
- 観覧料
- 一 般 800(600)円
大高生・65歳以上 600(500)円
小中生 無料 - *障がいのある方は半額・その付添者1名は無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*目黒区内在住、在勤、在学の方は、受付で証明書類をご提示頂くと団体料金になります。(他の割引との併用はできません。) - 展覧会ホームページ
- https://mmat.jp/exhibition/archives/ex181013
イベント情報
ミュージアムコンサート
ヴォーカル・アンサンブル カペラ
「グレゴリオ聖歌 聖母のミサ固有唱」
目黒区在住の日本を代表する現代作家 村上友晴の、独自の世界を貫く姿勢から生まれた静謐な絵画と向き合い、祈りの歌を聴く。
めぐろパーシモンホールと目黒区美術館の共同企画。
今回は、ペインティングナイフで黒い絵の具を淡々と置き続けることで描かれた黒の作品や、白い紙にニードルの繊細な痕跡を残していくことで独特なマチエールが表れた白い作品など、描く行為が祈りとも感じられる創作を続けている、村上友晴の世界を紹介する展覧会でのコンサートです。
古楽を専門とするプロの声楽家グループ「ヴォーカル・アンサンブル カペラ」による、ミサ形式の合唱をお贈りします。
【日時】2018年 11月23日(金・祝)
18:30開場、19:00開演、20:00終演予定
*途中休憩無
【会場】目黒区美術館
【料金】自由席2,500円
*チケットご購入の方はコンサート当日に限り展覧会をご覧いただけます。
*展示室は18:00に一度閉室します。コンサートの前後30分間[18:30~19:00、20:00~20:30]展示をご覧いただけます。
*未就学児の入場はご遠慮ください。
【チケット取扱】
■めぐろパーシモンホールチケットセンター
・受付窓口/電話03-5701-2904(10:00~19:00)
・オンライン (24時間)
■目黒区美術館
・受付窓口(10:00~17:45/月曜日休)
【曲目】
《ミサ形式による演奏会》
グレゴリオ聖歌 聖母のミサ固有唱
Gregorian chant,Proprium missae de beata Maria virgine
ギヨーム・デュファイ Guillaume du Fay 作曲
キリエ Kyrie
「花の中の花」“Flos florum”
「あがない主を育てた御母」Alma Redemptoris mater
「めでたし おとめ」Ave virgo
他
【出演】
ヴォーカル・アンサンブル カペラ
Vocal Ensemble Cappella
superius〈スペリウス〉:
花井尚美 安邨尚美
altus〈アルトゥス〉/tenor〈テノール〉:
富本泰成 及川豊 櫻井元希
bassus〈バッスス〉:
花井哲郎 (Maestro di Cappella=音楽監督)
ヴォーカル・アンサンブル カペラは、グレゴリオ聖歌とルネサンス・フランドル楽派の音楽を始めとして、ルネサンスの様々な宗教作品の演奏に取り組んでいます。メンバーは古楽を専門とする声楽家です。宗教曲本来の場であるミサなど歴史的な典礼的枠組みを尊重し、楽譜はすべて15、6世紀に書かれた計量記譜法によるオリジナル譜を用い、時代様式にふさわしい発音や発声法を追求することで、作品の価値が最大限に発揮されるような演奏を行い、心と魂の安らぎ、癒しの響きを実現できるよう努めています。
2001年以来11枚のCDをリリース、「レコード芸術」誌・特選盤などに選ばれました。2015年、第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞「室内楽・合唱音楽部門賞」受賞。
【公式ウェブサイト】 http://www.cappellajp.com/
大人のための美術カフェ
【日程】2018年11月24日(土)15:00~16:00
【聴講料】無料
*高校生以上は当日の展覧会観覧券が必要
*事前申込不要
担当学芸員が、村上友晴展に至るまでの美術館活動についてお話しします。
会場情報
目黒区美術館 メグロクビジュツカン
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
- 会場住所
-
〒153-0063
目黒区目黒2-4-36 目黒区民センター内 - ホームページ
- https://www.mmat.jp/
登録日:2018年7月24日