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「いのち」を見つめる

熊谷守一 書と絵と肖像

会場

田辺市立美術館

TANABE CITY MUSEUM of ART

会期

2017年4月22日(土) ▶ 7月2日(日)

展覧会概要

「いのち」を見つめる 熊谷守一 書と絵と肖像 クマガイモリカズ ショトエトショウゾウ

熊谷守一(1880-1977)の作品は、その類ない「モリカズ様式」とも呼ばれる造形によって、今日も多くの人々を魅了し続けています。熊谷が97年の生涯を閉じてからちょうど40年となる今年、改めてその多彩な表現活動と人物の魅力を振り返りたいと思います。
熊谷は1880(明治13)年に現在の岐阜県中津川市付知町に生まれました。父の熊谷孫六郎は初代岐阜市長などを務めた政治家、実業家で、裕福な家庭に育ちますが、異母兄弟との複雑な人間関係のなかで幼少期を過ごし、やがて画家になることを希望して、東京美術学校(現在の東京藝術大学)に学びます。在学中に父の死によって大きな負債を背負いますが、動じることなく自分の道を歩み、首席で卒業、官展への入選と、画家としての地歩を固めてゆきます。しかし、極度の寡作のために生活は困難を極め、貧窮のなかで、生まれた5人のこどものうち3人には先立たれてしまいます。
そうした生活の中で、熊谷は身の周りの自然を見つめ続け、自身の内面での対話を重ね、やがて切りつめたシンプルな輪郭線によって対象を捉えた、色面の構成による独特な表現を確立します。そして小さくとも輝く生命が凝縮された、象徴詩のような作品を生み出してゆきました。熊谷はそのような油彩画だけでなく、書と日本画も好んで描いています。そこにある大らかで豪胆な線の表現は、熊谷の人柄をなによりもよく伝えてくれるものです。
また最晩年の熊谷の姿を写した貴重な写真が藤森武(1942-)によって残されています。藤森は足しげく自宅を訪れて熊谷と心を通わせ、写真嫌いだった熊谷から撮影の許しを得ました。そうして写された熊谷の人間像を伝えるポートレイトも今回の展覧会では特別に展示します。
書と絵と肖像によって、「いのち」を見つめ続けた、熊谷守一の芸術と人をお伝えしたいと思います。

主催者
田辺市立美術館
協賛・協力等
特別協力/柳ヶ瀬画廊
企画協力/晴耕雨読
休催日
毎週月曜日
開催時間
午前10時 ~ 午後5時
入館は午後4時30分まで
観覧料
600円(480円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
学生及び18歳未満の方は無料
展覧会ホームページ
http://www.city.tanabe.lg.jp/bijutsukan/exhibitions/170422_kumagai.html

イベント情報

記念講演会 5月6日(土)午後2時より当館研修室(観覧料のみ必要・手話通訳もつきます)
藤森武(写真家)「熊谷守一先生を撮影した3年間」

レクチャーコンサート6月10(土) 午後2時より当館研修室(観覧料のみ必要)
「熊谷守一と画家・音楽家との交流」
演奏:松田淳一(vn.)・松田淳子(pf.) 解説:三谷渉(当館学芸員)

展示解説会
5月20日(土)・6月24日(土)午後2時より ※いずれも当館学芸員が行います
「国際博物館の日」記念

会場情報

田辺市立美術館 タナベシリツビジュツカン

TANABE CITY MUSEUM of ART

会場住所
〒646-0015
田辺市たきない町24-43
ホームページ
https://www.city.tanabe.lg.jp/bijutsukan/
更新日:2017年5月16日
登録日:2017年5月16日