ID:51628

特別展

近代花鳥画の巨匠 榊原紫峰展

会場

笠岡市立竹喬美術館

Chikkyo Art Museum, Kasaoka

会期

平成28年10月29日[土]→12月4日[日]

展覧会概要

特別展 近代花鳥画の巨匠 榊原紫峰展 キンダイカチョウガノキョショウ サカキバラシホウテン

このたび笠岡市立竹喬美術館は、東洋画の大きなテーマである花鳥画に、西洋絵画の近代的絵画手法を取り入れ、これに古典の徹底した研究を擁して独自な世界を形成した、榊原紫峰の回顧展を開催します。
榊原紫峰(1887~1971)は、明治20年に京都の染織家の家に生まれました。兄の雨村、弟の苔山、始更、弘はともに日本画家です。明治40(1907)年、京都市立美術工芸学校を卒業し、明治44(1911)年には京都市立絵画専門学校(絵専)を、後に国画創作協会を創立する土田麦僊、小野竹喬、村上華岳、入江波光らと卒業します。絵専在学中の明治43(1910)年には、第4回文展で《ながき日》が褒状を受け、京都画壇の若手を代表する花鳥画家として文展で入選を重ねていきます。しかし、大正6(1917)年の第11回文展で《梅雨霽れ》が好評のうちに無賞に終わったことを受け、かねてから文展の曖昧な体質に不満を抱いていた麦僊らと、国画創作協会を創立することになります。
大正7(1918)年の第1回国画創作協会展に一対の《青梅》を出品したのち、第2回展《赤松》、第3回展《奈良の森》と丹念な写生に基づいた立体的な花鳥画を発表します。主要会員の渡欧による中断をはさんだ後期においては、大正13(1924)年の第4回展に《雪柳白鷺図》、第5回展《蓮》、第6回展《獅子》、第7回展《冬朝》と、東洋画の古典を再解釈した力作を発表します。いずれの作品も、クラシック音楽の壮大で深遠な調べを造形化したかのような、従来にない花鳥画を創造しました。
昭和3(1928)年の国展解散後は、官展への出品はせず、母校の教授を務めながら、小品の水墨画の中に洗練された筆遣いを示していきます。その生涯にわたって、円山四条派の伝統を踏まえつつ、西洋絵画の陰影法と中国の宋元花鳥画の精緻な質感表現を融合した、生新な創作を続けました。その高度な筆法は日本のみならず、筆文化を持つ東洋の至宝ともいえるものです。
今回の回顧展では、紫峰の代表作約70点を通して、今日の日本画が安易に忘却している東洋絵画の筆法、運筆の重要さを再確認したいと思います。

主催者
笠岡市立竹喬美術館
協賛・協力等
共催=山陽新聞社
助成=自治総合センター
休催日
毎週月曜日
開催時間
9:30 ~ 17:00
(入館は16:30まで)
ただし、10月29日は開会式のため10:30に開館
観覧料
一般800(650)円 高校生500(350)円 小中学生300(150)円
※( )内は団体20名以上
※前売は一般個人のみ700円
※11月20日(日曜日)は竹喬生誕祭につき入館無料
※笠岡市内の小中学生及び笠岡市内在住の65歳以上は無料(住所と年齢のわかるもの、笠岡っ子無料パスを提示してください)
展覧会ホームページ
https://www.city.kasaoka.okayama.jp/soshiki/30/shiho.html

イベント情報

□講演会 「東洋絵画における紫峰花鳥画の存在意義」
島田康寛氏(美術史家)
10月30日(日)13:30~15:00

□講座 「日本画の技巧をいかに伝承すべきか―紫峰の画業を通して」
上薗四郎(当館館長)
11月20日(日)13:30~15:00

□実技講座
①「水墨画で花鳥を描く」
森山知己氏(日本画家)
11月6日(日)13:30~15:30
②「日本画の素材で花鳥を描く」
瀬納匡美氏(日本画家)
11月27日(日)13:30~15:30

□学芸員によるギャラリートーク
11月3日(木・祝)、11月23日(水・祝)
13:30~14:30

◎竹喬茶会(竹喬生誕祭)
11月20日(日)10:00~16:00
お茶席券:400円(高校生以下は無料)
協力:笠岡茶道連盟
詳細は美術館までお尋ねください(0865-63-3967)

会場情報

笠岡市立竹喬美術館 カサオカシリツチッキョウビジュツカン

Chikkyo Art Museum, Kasaoka

会場住所
〒714-0087
笠岡市六番町1-17
ホームページ
https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/
更新日:2016年11月8日
登録日:2016年9月27日