ID:4807

観音のみてら 石山寺

会場

奈良国立博物館

NARA NATIONAL MUSEUM

会期

2002年8月9日(金) ~ 2002年9月8日(日)

展覧会概要

観音のみてら 石山寺 カンノンノミテライシヤマデラ

良弁(ろうべん)僧正による開基と伝える石山寺(滋賀県大津市)は、琵琶湖から南流する瀬田川に面した岩山に所在しています。この地は天平宝字3年(759)に造営を開始した保良宮(ほらのみや)の旧在地と考えられています。石山寺は保良宮との関わりのなかで、天平宝字5年(761)より拡張造営工事がおこなわれ、本尊としていずれも塑造の二臂丈六観音半跏像および二躯の神王像が安置されました。これらは承暦2年(1078)に火災に遭い、現在は断片のみ伝えられますが、罹災後の再興像は根本像の形制を踏襲し、本堂厨子内に秘仏として安置されています。また金銅仏や経典など、創建当初の遺品は他にも少なくありません。
平安時代に入ると、石山寺は醍醐寺流の密教寺院に変貌し、学僧として名高い淳祐(しゅんにゅう)の来寺により、学問寺としての伝統を築いてゆきます。この時期の遺品として、とくに仏像彫刻や密教図像、典籍が豊富にのこされています。
また石山寺は西国三十三所の第十三番札所となり、観音信仰の霊場としても多くの参詣者を集めました。とくに貴族の女性の参籠が流行したらしく、紫式部が当寺で『源氏物語』を書きはじめたという伝説も、このような背景によるものでしょう。
このような歴史を反映して、石山寺には古代から中世にかけての、南都仏教や密教、また観音信仰に基づく優れた仏教美術作品が多数伝来しています。本特別展は、寺外初公開の作品を含め、これらを一堂に会する初めての試みです。本展を通じ、石山寺の歴史と伝統、ひいては日本の仏教美術のすばらしさを堪能していただければ幸いです。
また、本年8月におこなった調査により、石山寺の本尊木造如意輪観音半跏像(平安時代後期)の背板内部から、寛元3年(1245)の墨書銘のある木製厨子と、その内部に納められていた4躯の銅造仏像、水晶製五輪塔が発見されました。4躯の仏像は飛鳥から白鳳・天平時代にわたるもので、作風はそれぞれ異なり、古代金銅仏の新出資料として注目されます。今回はこの新発見の銅造仏像と納入厨子をあわせて公開いたします。

主催者
奈良国立博物館
休催日
月曜日(8/12は開館)
観覧料
一般 830(560)円
高校・大学生 450(250)円
小・中学生 250(130)円
※( )内は20名以上の団体料金
展覧会ホームページ
http://www.narahaku.go.jp/
展覧会問合わせ先
ハローダイヤルサービス:050-5542-8600

会場情報

奈良国立博物館 ナラコクリツハクブツカン

NARA NATIONAL MUSEUM

会場住所
〒630-8213
奈良市登大路町50
ホームページ
https://www.narahaku.go.jp/
更新日:2010年9月21日
登録日:1999年3月31日