ID:35918
もうひとつの川村清雄 展
―加島虎吉と青木藤作・二つのコレクション
会場
目黒区美術館
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
会期
2012年10月20日|土▸2012年12月16日|日
展覧会概要
もうひとつの川村清雄 展 モウヒトツノカワムラキヨオ テン ―加島虎吉と青木藤作・二つのコレクション
川村清雄(嘉永5・1852~昭和9・1934年)は、江戸麹町で幕臣の家系に生まれ、幕末から明治、大正、昭和と、変動の時代を生き、もっとも早い時期に海外で学んだ洋画家です。明治4年、徳川家の留学生としてアメリカへ出発、のちに渡ったイタリアではベネチア美術学校で本格的な西洋画を学びます。西洋画の卓越した技術を持ちながら、日本の絵画を研究、絹の金箔下地に油彩で、有職故実や古典文学からテーマを引くなど、その独特の画面構成と異彩を放つ画風で注目を集めました。勝海舟や徳川家達(いえさと)らの支援を受けながらも、世の流れから孤立ししばらく人々の記憶から遠ざかっていました。しかし、1980年代以降、川村清雄研究が盛んになり研究書の出版や展覧会が相次ぎ、いくつもの成果が報告されています。
「明治以降、海外で学び活躍した作家の初期の作品」を収集方針に取り上げている当館では、川村清雄のフランス、イタリア時代(1876-1881)の貴重な素描5点を収蔵しています。そこへ幸運にも、2003年とその翌年に、行方が分からなかった屏風[村上彦四郎]を含む、比較的後期の作品三十余点を、川村清雄とゆかりのあった加島虎吉ご遺族からご寄贈いただきました。このコレクションを2005年に「川村清雄を知っていますか?」展として初公開したところ、小規模ながらもいくつかの話題に上りました。それから7年経過した現在までに、代表作とも言える作品が発見されるなど、川村研究は充実した展開が見られます。
そうした中、今秋、江戸東京博物館(静岡県立美術館に巡回)では特別展「維新の洋画家―川村清雄」が開催されます。目黒区美術館ではこれに合わせ「もうひとつの川村清雄展」を開催し、当館の加島コレクションに加えて、本展では栃木県の那珂川町馬頭広重美術館に収蔵されている、徳富蘇峰と関係の深い実業家青木藤作が集めた川村作品五十余点もあわせてご紹介いたします。
良き支援者、加島虎吉が営んでいた出版社「至誠堂」から、川村が手がけた技巧的にも凝った装丁の書籍が数多く出版されています。ほかにも『新小説』(春陽堂)の表紙など、精力的な絵画制作の一方で、ブックデザインにも腕をふるい興味深い仕事を残しています。
当館の展覧会では、川村と二人の支援者との関係をフォーカスしこれに加えて、川村が関わったセンスある本の仕事にも光をあて川村清雄の知られざる魅力に迫ります。
- 主催者
- 公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
- 協賛・協力等
- 協力:那珂川町馬頭広重美術館
助成:公益財団法人 野村財団 | 後援:明治美術学会 - 休催日
- 月曜
- 開催時間
- 午前10時 ~ 午後6時
- 入館は5時30分まで
*開館時間は電力事情等により変更になる場合があります。 - 観覧料
- 一般 600(450)円、大高生・65歳以上 450(350)円、小中生は無料
- ( )内は20名以上の団体料金、障がいのある方は半額・付添者1名は無料 目黒区民割引(団体料金と同額)
*江戸東京博物館の特別展「維新の洋画家―川村清雄」(10/8~12/2)のチケット半券をお持ちいただくとご本人様のみ、1回に限り、当館の観覧料が団体割引になります。 - 展示替え情報
- *会期中、展示替えがあります。
- 展覧会ホームページ
- http://mmat.jp/exhibition/archives/ex121020-3
会場情報
目黒区美術館 メグロクビジュツカン
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
- 会場住所
-
〒153-0063
目黒区目黒2-4-36 目黒区民センター内 - ホームページ
- https://www.mmat.jp/
登録日:2012年9月26日