ID:30305

武士とはなにか

会場

国立歴史民俗博物館

National Museum of Japanese History

会期

2010年10月26日(火) ~ 2010年12月26日(日)

展覧会概要

武士とはなにか ブシトハナニカ

武人は超時代的に存在するなかで、日本列島のおおむね10世紀から19世紀にいたる中世と近世には、わたしたち現代人が武士、サムライなどと呼びならわし、その風体や生活様式などに一定のイメージを有する、武人たちとその家々が階層的に存在しました。さらに東アジア世界では一般的な文人貴族による政権(朝廷)が存続する一方で、鎌倉・室町・江戸の三つの幕府という武人政権が断続的に成立し、段階的に国政の実権を掌握するにいたります。それは武士という社会的身分が確立していく過程でもあり、武士身分が消滅した近代以降にも決定的な影響をおよぼしました。日本の歴史を現代とのかかわりから捉えるうえで、また比較史の観点から特色づけるうえでも、この武士と武家、そして武人政権の問題は避けて通ることのできない意味をもっています。

しかし、武士そのものを他と峻別し特徴づけるメルクマールは、意外なことに明確ではありません。そもそも武士といわれる人物およびその集団をさす史料上の用語も多様です。「兵」「勇士」「武者」「武士」「侍」など、これらの史料表現は必ずしも現代人のいう武士一般をさすとは限らず、使用法にも時代的な偏差があります。つまり、ある特定のイメージをともなった武士という概念で括られる人々は、わたしたちが考える以上に複雑な歴史的存在であり、その実態さえつかむのが容易ではありません。

共同研究にもとづく本企画展示は、そうした武士と武家を具体的なモノ資料のレヴェルで相対的に把握する試みです。戦士であったはずの武士が行政官となり、武人政権が断続的に存在していく、という歴史的現象を自明のものとせず、中世と近世をつなぐ視角を確保したうえで、武士に関する自己と他者の認識がいかなる資料に、どのように表されているかについて考え、それらのはたした機能を社会的コンテクストのなかに位置づけてみたいと思います。そこでは、通時的な武士イメージの形成と変容のあり方じたいも、多様な資料に即して分析の対象となるでしょう。

あえていま、「武士とはなにか」という問いを発することで、日本の「伝統」と結びつけながら武士、サムライを美化したイメージで語ることの多い現代社会に対するメッセージとしたいと考えています。

主催者
国立歴史民俗博物館
休催日
11月1日(月)・8日(月)・15日(月)・29日(月)・12月6日(月)・13日(月)・20日(月) ※11月22日(月)は開館します
観覧料
一般 830(560)円
高校生・大学生 450(250)円
小・中学生 無料
( )内は20名以上の団体
※毎週土曜日は高校生は入館無料
展覧会ホームページ
http://www.rekihaku.ac.jp/
展覧会問合わせ先
03-5777-8600(ハローダイヤル)

会場情報

国立歴史民俗博物館 コクリツレキシミンゾクハクブツカン

National Museum of Japanese History

会場住所
〒285-8502
佐倉市城内町117
ホームページ
https://www.rekihaku.ac.jp/
問い合わせ先
ハローダイヤル ℡.03-5777-8600 (8時00分から22時00分まで)
更新日:2010年5月19日
登録日:2000年10月6日