ID:28642
「龍人伝説」への道 三輪休雪展
会場
山口県立萩美術館・浦上記念館
hagi uragami museum
会期
2010年9月11日(土) ~ 2010年10月24日(日)
展覧会概要
「龍人伝説」への道 三輪休雪展 「リュウジンデンセツ」ヘノミチ ミワキュウセツテン
十二代三輪休雪〔きゅうせつ〕(本名は龍作〔りょうさく〕、1940年生まれ)は、「愛 (エロス)」と「死 (タナトス)」をテーマに人間存在の重さを陶芸として問い続けてきた作家です。かつて長州藩御用を務めた伝統窯に生まれ育ち、萩焼400年の歴史的個性を踏まえながらも、これまでは器という形式から離れて象られることがまれであったやきものの領域で、彫刻的具象表現を中心に自己をかたちにしてきました。
本展覧会は、最新の連作「龍人伝説」にいたるまでの休雪の旺盛な創作活動を、約130点の代表的作品で遡り、やきものに初めて叙情的なかたちを与えた表現者の創造の軌跡を紹介します。
十二代休雪は、三輪壽雪〔じゅせつ〕(十一代休雪、本名は節夫〔さだお〕、1910年生まれ)の長男として生まれ、ともに「萩焼」の人間国宝となった伯父の休和(十代休雪、本名は邦廣、1895年~1981年)と父の作陶姿勢を間近で見つめ、早くから萩焼固有の素材と技法に親しんでいました。茶陶「萩」の近代的発展に大きな役割を果たした伯父と父の志をもっともよく理解し、その革新性を高く評価した休雪ですが、かれは萩焼の伝統的規範にとらわれることなく、自己の内発的な感覚のもと、陶造形の芸術性と今日性を問う制作活動を繰り広げてきました。
東京藝術大学大学院修了展にオブジェ陶のハイヒールを「花子の優雅な生活」と題して発表した1967年以来、ときには情念の赤裸々な暴露として、またあるときは崇高なる観念の感覚的啓示として表現される作品は、われわれの情感を激しく揺さぶってきました。人の心根の奥深いところにある愛欲や情念を包み飾らず可視化した休雪のかたちが、その具象性ゆえに、個の生滅という人間存在の根源に対するより切迫した感興を呼び起こさせるからでしょう。
萩固有の陶土の物性を最大限に活かしたこの造形的主張は、温かみのある黒陶彩の土肌や、厚く盛られた艶釉薬や萩伝統の白萩釉の色彩、そしてぬめるような独特の光沢のうちに周囲を映す金彩をまといながら、表情豊かな連作や記念碑的大作のかたちに不抜の道念として示され続けています。
山口県立萩美術館・浦上記念館の「陶芸館」開館を記念して開催される本展は、十二代休雪の秀逸な個性と、芸術としてのやきものを志した造形思考を探訪する試みでもあります。
- 主催者
- 山口県、(財)自治総合センター、
「龍人伝説」への道 三輪休雪展実行委員会(山口県立萩美術館・浦上記念館、朝日新聞社、yab山口朝日放送) - 休催日
- 月曜日(ただし、9月20日、10月11日は開館)
- 観覧料
- 一般500(450)円、70歳以上の方・学生450(400)円
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金 - 展覧会ホームページ
- http://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
会場情報
山口県立萩美術館・浦上記念館 ヤマグチケンリツハギビジュツカン・ウラガミキネンカン
hagi uragami museum
- 会場住所
-
〒758-0074
萩市平安古町586-1 - ホームページ
- https://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
登録日:2007年11月6日