ID:28026

志村博がシルクスクリーンと映像で綴る 「遥かなるグランチェスター・メドー」

会場

渋谷区立松濤美術館

The Shoto Museum of Art

会期

2010年4月6日(火) ~ 2010年5月23日(日)

展覧会概要

志村博がシルクスクリーンと映像で綴る 「遥かなるグランチェスター・メドー」 シムラヒロシガシルクスクリーントエイゾウデツヅル「ハルカナルグランチェスター・メドー」

“グランチェスター”は、イギリスの学園都市ケンブリッジから南3kmにある小さな村の名です。その周辺には典型的なイングランドの田園風景が広がり、イギリスではごく普通に見られる郊外の村ですが、「グランチェスターを語らずにケンブリッジを語ることは出来ない」と言われるほど、大学の業績や、時代の文化形成に大きな役割を果たしてきました。ケンブリッジ歴代の学者や文人たちは、時として大学や街を離れ、ケム川沿いのメド―(牧草地)を歩き、緑多く心休まるグランチェスターに集いました。街を取り囲む美しい自然環境は、彼らに精神的な余裕と、独創的な発想やひらめきをもたらしました。そこは時代の荒波に翻弄されることのない自由な創造空間でした。
1975年、初めてケンブリッジを訪れた志村博は、学園都市の歴史的な街並みだけでなく、郊外に広がる田園風景の美しさ、とりわけグランチェスターを流れるケム川やメド―の景観に接し、深い衝撃を受けます。その感動は志村をケンブリッジに留め、創作活動に向かわせました。その作品群には、北国の優しい太陽が醸し出すケンブリッジ郊外の風景や自然の中で見る木々や葉が、繊細な色調とシンプルで力強い構図により永続性や時の流れを感じさせる表現追求がなされています。
本展では、会場の展示監修、図録デザイン、装丁などを、世界的なグラフィック・デザイナーである勝井三雄が担当し、約60点のシルクスクリーン版画作品展示のほか、映像分野でも活動する志村の映像インスタレーション作品を大壁画に投影します。また同時に、B1展示室ではグランチェスターを愛した詩人ルパート・ブルックに関連する資料展示も行います。
地球規模での気候変動が問われ、不安が渦まく時代、何百年も変わらない光景をテーマにした志村の作品を通して、何気ない風景に潜む造形の美を見出し、美しいものを美しいと感じる素直な感情を呼び覚まし、すべての人が持つ自然への憧憬や希求を見つめ直す契機となればと思います。

主催者
渋谷区立松濤美術館
休催日
4月12日(月)、19日(月)、26日(月)、30日(金)、5月6日(木)、10日(月)、17日(月)
観覧料
一般300(240)円 小中学生100(80)円
*( )内は団体10名以上 *60歳以上の方、障がい者の方(付添1名含む)は入館無料 *毎週土曜日は小中学生入館無料
展覧会ホームページ
http://www.shoto-museum.jp/
展覧会問合わせ先
Tel.03-3465-9421

会場情報

渋谷区立松濤美術館 シブヤクリツショウトウビジュツカン

The Shoto Museum of Art

会場住所
〒150-0046
渋谷区松濤2-14-14
ホームページ
https://shoto-museum.jp/
更新日:2011年3月8日
登録日:1999年3月31日