ID:11278

山口蓬春展

伝統とモダンの融合

会場

神奈川県立近代美術館 葉山

The Museum of Modern Art, Hayama

会期

2006年10月21日(土) ~ 2006年12月24日(日)

展覧会概要

山口蓬春展 ヤマグチホウシュンテン 伝統とモダンの融合

大正15年、第七回帝展に『三熊野の那智の御山』を出品し特選を取り、その後も大胆かつ明快な画風で新しい日本画を生み出した日本画家山口蓬春(1893-1971)の回顧展を開催いたします。山口蓬春は、大正・昭和と激動の時代に、清新でモダンな日本画を次々と製作してゆきました。とくに戦後すぐに葉山三ヶ岡に居を構え、この地から代表作を世に送り出したのでした。当館と山口蓬春との関係は開館当初にさかのぼり、美術館運営委員として当館の事業に参画しています。1956年には有馬生馬との2人展を開催し、1964年には、当館に山口蓬春文庫が寄贈されたのを記念して、鎌倉館と鎌倉別館で山口蓬春展が開催されています。今回の展覧会は、山口蓬春の旧居(現在の山口蓬春記念館)の近くに当葉山館が開館して3周年目に当たる2006年の秋に、山口蓬春記念館とともに、当館と生前深いかかわりのあった山口蓬春の芸術を回顧し、さらに現代にとって蓬春芸術の意義を問い直そうとするものであります。
現代日本画に大きな足跡を残した山口蓬春は、はじめ油絵画家を目指しますが、すぐに日本画に転向し、伝統的な日本画を継承する新興大和絵会に参加します。多くの古典から学んだ成果として生まれたのが、帝展特選さらに皇室買い上げとなった《三熊野の那智の御山》(1926年)です。そのご、日本画家と洋画家、美術評論家が共同してグループを結成した「六潮会」に参加し、新しい絵画を生み出そうと模索します。戦中の戦争記録画《香港島最後の総攻撃図》(1942年)を描き、終戦を迎えた山口蓬春は、さらなる新日本画を追求し、《山湖》(1947年)《浜》(1950年)《夏の印象》(1950年)といった傑作を描き出し、日本画壇にモダニズムの清々しい新風を吹き込みました。その間の1947年に、山口蓬春は、葉山町に転居し戦後の傑作を次々と生み出してゆきました。そして、日本の四季を象徴的に描きあげた《春》《夏》《秋》《冬》の四部作(1961-65年)、続いて皇居新宮殿杉戸絵《楓》(1968年)を製作するなど晩年にいたるまで、その制作意欲は衰えを見せませんでした。
今展では、山口蓬春の初期から晩年までの作品約80点を展示いたします。各時代の代表作のみならず、初期の油絵や山口蓬春の制作活動の裏面を垣間見せてくれる習作スケッチや摸写などもあわせて展示いたします。

主催者
神奈川県立近代美術館、山口蓬春記念館
休催日
月曜日、祝日の翌日[11月24日(金)]
観覧料
一般1000(900)円 20歳未満・学生850(750)円 65歳以上500円
( )内は20名以上の団体料金です。高校生以下の方、障害者の方は無料です。
展覧会ホームページ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/
展覧会問合わせ先
電話:046-875-2800(代表)

会場情報

神奈川県立近代美術館 葉山 カナガワケンリツキンダイビジュツカン ハヤマ

The Museum of Modern Art, Hayama

会場住所
〒240-0111
三浦郡葉山町一色2208-1
ホームページ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
更新日:2011年3月2日
登録日:2005年4月6日