アール・デコ(「装飾芸術」という意味のフランス語)とは、1925(大正14)年にフランスで開催されたパリ万博の頃、世界に広まった芸術様式です。
万博といえば「愛・地球博」が記憶に新しいですが、最先端の技術、情報、文化、そして何千万もの人間達が世界中から結集する世紀の大イベント。80年前のヨーロッパでは、力強い直線や幾何学文様を多用した、シンプルで機能的な様式が生み出されました。建築、ファッション、ガラス工芸や陶芸、時計に香水瓶にアクセサリー・・・生活のあらゆる場面でアール・デコの「モダン」が愛されたのです。
この時代の大きな特徴として、女性のファッションの劇的な変化がありました。短い髪、膝丈のドレス、シンプルなデザイン、大胆な色づかい・・・そんな新しいモードを世に送り出したデザイナーの一人が「エルテ」(ロシア)です。エルテは、当時のデザインをブロンズ像やシルクスクリーン版画として残しました。
モダンガールをお洒落に演出するアクセサリー、香水瓶などをガラスで生み出したのが、「ラリック」(フランス)です。本展では、彼らの作品や服飾品を150点展示いたします。好評を博した前回企画展に引き続き、当時のお洒落な雰囲気をお楽しみいただければ幸いです。