17世紀フランスの詩人、ラ・フォンテーヌが著した不朽の名作『寓話』。動物たちが主人公の機知と教訓に富んだ100の物語をシャガールが描いた版画を中心に、東西の画家が『寓話』によせた作品の数々をご紹介します。
17世紀フランスの詩人、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌが著した『寓話』は、さまざまな動物が登場する物語を集めたもので、彼らが繰り広げる機知に富んだおしゃべりから、人間のエゴや愚かさ、人生の教訓が浮かび上がってきます。フランスでは今も大人から子供まで知らぬ者はない古典として愛され、1668年の初版から現代に至るまで、数々の画家が『寓話』の挿画を手掛けてきました。
愛と夢の画家として知られるマルク・シャガール(1887-1985)も、画商ヴォラールにその才能を見出されて連作版画《ラ・フォンテーヌの寓話》を制作しています。シャガールはその自由な想像力によって物語の各場面を生き生きと描き、卓越した色彩のセンスをもって版画を鮮やかに彩りました。本展では、日本でも有数のシャガール・コレクションを所蔵する高知県立美術館の《ラ・フォンテーヌの寓話》全100点を、前期・後期に分けて展示いたします。<前期:3/21~5/7、後期:5/9~6/11>
また、本展では、フランソワ・ショヴォ-による『寓話』初版本の挿画を初めとして、17-20世紀にかけて『寓話』、あるいは『寓話』の源泉である『イソップ寓話』を主題とした作品を約40点、併設展示いたします。それぞれの画家の個性や、時代による着眼点の違いなどを比較してお楽しみ下さい。