平成17年4月1日をもって、佐久市、臼田町、浅科村、望月町は合併し新しい佐久市が誕生いたしました。新佐久市を取り巻く信州佐久の自然や風土は、人々の感性を養い多彩な文化を育んで、近代美術の分野に数多くの作家を輩出してきました。
果亭、雲坪らと交流があり信州を代表する南画家のひとり加藤半渓(1841-1906)。父文叔から文人画を学び多彩な本画を描いた柳澤文真(1832-1915)と文真を祖父に帝展、日展に作品を発表した日本画家柳澤真一(1985-1987)。渡米経験のある水彩画家丸山晩霞(1867-1942)は、写実を貫いた神津港人(1889-1978)や、アメリカに渡り肖像彫刻家として名を馳せた川村吾蔵(1884-1950)の、芸術の特質性にも影響を与えました。その他、石版画の画作者、女流版画家の祖 岡村政子(1858-1936)、現代書道の礎を築いた比田井天来(1872-1939)などその活動分野は多岐にわたります。
また、中央で画家として活躍していた有島生馬(1882-1974)、奥村土牛(1889-1990)らが、太平洋戦争によって佐久に疎開したことは少なからず佐久の美術文化に刺激をもたらしました。
本展では、これら近代を代表する作家の作品と共に、現代に佐久で制作してきた作家や活動の場を広げ、さらなる創造性の発展を期待する佐久ゆかりの作家の作品を展示します。
佐久における近代美術文化の流れを展覧し、新しい佐久に新たな芸術の独創性を発見します。