宮本三郎(明治三十八年~昭和四十九年)は、小松市出身の洋画家で、二紀会を創立し、その中心的存在となって会の運営にあたり、後進の育成にも力を注ぎました。
宮本は素描(デッサン)が非常に好きで、紙と鉛筆があればすぐに描くことにしていました。日々の日課とし、一日に百枚は描いたといわれる素描は、生命力に溢れ、「天賦の素描家」と評された宮本の技量が伺えます。
本特集では、「南方従軍素描集」十六点を中心に、「裸婦」「女優像」を含む計三十四点と、宮本の使用した画材などの資料も合わせて展示し、その卓抜な描写力をご覧いただき、郷土が生んだ偉大な素描画家としての力量を再認識していただきたいと思います。