新春恒例の獅子・狛犬、ここのところ隔年の開催ですが、アンケートなどで毎年の開催を望む声も強く、あらためてそのファンの多さを実感しています。
一般的には「狛犬」として知られている獅子・狛犬ですが、本来は角があるのが狛犬で、無いほうが獅子であるという区別もかなり知られてきたようです。なぜ本来は獅子と狛犬に区別されていたものが狛犬とだけ呼ばれるようになったかは不明ですが、現存する作例を見る限り、角をもった想像上の動物(狛犬)を獅子と一対にして守護獣とするのは、わが国に特有のことです。その意味で狛犬はわが国オリジナルの守護獣ということがいえるでしょう。ちなみに近世に製作された石造の「狛犬」は、実は中国伝来の獅子二頭の組み合わせであることも多いのです。身近な狛犬を角の有無を基準にみてみると面白いかもしれません。
さて、今回の特集では、守護獣であるという獅子・狛犬の本来の役割を再確認するため、その守護する対象である神像とともに陳列いたします。また、近年修復が完成した高山寺の神鹿、馬もあわせて展示いたします。