日本橋から汐留への道は、江戸・東京の「メインストリート」です。
江戸時代は、五街道の一つの東海道の出発地域として、また江戸城のお膝元として、技能者の街として開発されたこの地域は、その後モノや人の様々な行き交いが繁華に繰り広げられました。
江戸幕府が滅んで近代になると、まず文明開化の大舞台として劇的な変貌をとげました。明治維新でこの道から生まれた鉄道馬車は路面電車として姿を変え、「市電」「都電」として発展し、首都東京の足として親しまれることになります。また大正・昭和にかけて、とりわけ銀座はモダンな街として注目を集め、東京の中心街となりました。そして関東大震災と第二次世界大戦で二度の被害に遭いながらも再生したこの道筋は、平成の現在、日本の、そして世界有数の繁華街です。昔と変わらぬ道筋とその街並みは、今なお様々なかたちで活性化しつづけています。
本展覧会では、メインストリートとして親しまれてきたこの道の魅力や、そこに沿った地域の歴史や文化を館蔵品により紹介します。そして歴史や文化を回顧すると同時に、本展覧会が、この道と地域の未来像を考えていく一つのきっかけになればと思っています。
※11月22日(火)より後期展示
同時開催される「両国と大相撲」展は、財団法人日本相撲協会創立80周年を記念して、江戸の盛り場両国と相撲の歴史について、屏風絵、錦絵、番付ほか、谷風、雷電が使用した足袋や煙管などとともに振り返ります。また、明治から昭和初期における両国界隈の街並みの移り変わりを、地図や写真などで展観いたします。なお、本展は、同協会相撲博物館の特別協力をいただきました。
このほか、相撲博物館では、12月中旬より日本相撲協会80年の歴史を紐解く特別展が開催されます。