美濃は、桃山時代を代表する黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部といった焼き物を生産しました。一方隣接する瀬戸は、中世に唯一施釉陶器を焼いていましたが、桃山期には隣国美濃に陶工が移動しており、その後江戸時代に入って陶工を呼び戻し窯業を再開しました。
当館所蔵の山本コレクションは美濃焼を中心としていますが、中に瀬戸地方の製品も若干含まれています。これまで何度か同コレクションを紹介するにあたって、常に桃山時代の美濃焼をテーマとしてきましたが、本展では美濃と瀬戸、特に江戸時代の両窯の製品の特徴の一端を紹介いたします。