徳川美術館の至宝である国宝「源氏物語絵巻」は、12世紀前半に製作されたとみなされている現存最古の物語絵巻です。平成9年度からはじめられた科学的分析をはじめとする調査と並行して、製作当時の姿を再現する復元模写事業をNHK名古屋放送局の協力を得て進めてきました。その製作過程はNHKの番組でも放送され国の内外を問わず大きな反響を喚んできました。平成17年3月に、徳川美術館が所蔵する国宝「源氏物語絵巻」の絵十五場面が全て完成します。昭和の桜井清香復元模写本に続いて再び、平成の世に甦った国宝「源氏物語絵巻」徳川本の復元模写を中心に、江戸時代以来昭和時代までのさまざまな模写作品をまじえて展示し、各時代の享受・研究の歩みをたどります。