片岡球子(1905~)は、戦前から現代に至るまで、院展を中心に日本画を発表し続けてきています。その絵画世界は、しかし、日本画の世界にとどまりません。2005年、片岡球子が満百歳を迎えたのを機に開催されるこの展覧会は、現代の絵画に大きな問いかけを放ち続けているその画業をあらためてたどろうとするものです。
出品作は、八十年にわたる活動の中核をなす院展出品作を中心に構成されます。ライフワーク「面構」のシリーズをはじめ、初期作品、浅間山などの火山シリーズ、「富士山」や裸婦の「ポーズ」など約七十点の大作に、初公開となるスケッチもあわせて紹介するという大規模な回顧展であり、エネルギーに満ちた片岡芸術の全貌を紹介します。
二十二歳で小学校の先生となって以来、つねに絵を教え続け、いまなお愛知県立芸術大学の客員教授として指導にあたる一方、日々作品を作り続けています。まさに、絵を描くことに一途な人生です。そうして生み出された、絵を描くことの喜びに満ちた作品をお楽しみください。[会期中、展示作品の入れ替えがあります]