本展覧会はアントニ・ガウディ(1852-1926年)のデザイン作品、ジョアン・ミロ(1893-1983年)とサルバドール・ダリ(1904-1989年)の初期から円熟期にいたる絵画や立体作品を、自然との関わりの観点から展観するものです。
今日にいたるまでスペインは数多くの芸術家を生みだしました。こと1888年の万国博覧会(バルセロナ万
博)に沸くカタルーニャの地が輩出した芸術家たちが、20世紀美術に多大な影響を与えたことはよく知られています。地中海とピレネー山脈に囲まれたカタルーニャで生まれ育った3人の芸術家、ガウディ、ミロ、ダリの作品には、大地と自然を髣髴とさせるモティーフがしばしば見られます。
建築の構造イメージを自然から得ていた事で知られるガウディは、柱やドアなどにも植物のモティーフをしばしば使用しました。また1885年から1910年頃にかけて、自ら設計した建築にあわせ、特徴ある有機的なフォルムの家具をデザインしています。シュルレアリスト、ミロとダリも初期作品において、素朴な山村や田園風景を様々な表現で残しました。これら故郷の面影を通して得た色彩や形態は、彼らの後年の作品にも見出すことができます。
2005年日本国際博覧会(愛知万博)を記念し、Sociedad Estatal para Exposiciones Internacionales
の全面的な協力を得て開催する本展は、スペインの大地と自然が、いかにガウディ、ミロそしてダリの作品に重要な役割を果たし、彼らの精神に影響を及ぼしたかを見出す貴重な機会となることでしょう。