竹久夢二は17歳で上京し、以後人生の多くの時間を東京で過ごしました。
中でも東京の下町と呼ばれる界隈に、夢二は足跡を残しています。日本橋・本郷・浅草・向島そして隅田川……これらの場所を夢二は散策、ある時には居を構えましたが、そこで眼にして生まれた想いを絵や言葉に表現しました。
また夢二は江戸の文化と娯楽からも影響を受け、浮世絵版画の流れを感じさせる女性絵を得意とし、また芝居や三味線に関心を寄せた作画なども数多く残しました。
この展覧会では夢二ゆかりの下町と、彼が愛した江戸の芸事にまつわる作品の数々に加え、夏を題材とした美人画を中心に、日本画や詩歌また夢二による浴衣図案を紹介いたします。
夏のひととき、夢二が描く粋な江戸情緒の世界をご堪能ください。