愛知県南東部に位置する豊橋市は、旧石器時代、縄文、弥生の時代からの歴史を持ち、江戸時代には宿場町としておおいに栄えました。第二次世界大戦では、隣接する豊川市とともに激しい空襲を受け、市街他のほとんどを焼失しましたが、現在では、東三河の産業、交通の中心地として発展を続けています。
1979年に開館した豊橋市美術博物館は、開館以来、考古・歴史・民俗・美術など各分野にわたる活動を行ってきました。美術の分野においては、約1,000点の収蔵品を数え、近年は、郷土作家の作品に加え、さらに対象を拡げたコレクションの充実を図っています。
この展覧会では、豊橋市美術博物館の美術コレクションの特色となっている「日本画」54点によって、戦後の「日本画」において目を見張る表現世界を切り拓いた、三河地方のすぐれた画家たちの作品を中心に紹介します。
出品作家は、三河地方の作家である、白井烟嵓(1894~1976)、大森運夫(1917~)、星野眞吾(1923~97)、中村正義(1924~77)、平川敏夫(1924~)、高畑郁子(1929~)の他、名古屋の水谷勇夫(1922~)や大島哲以(1926~99)、東京の平松礼二(1941~)、京都の大野俶嵩(1922~2002)、野村耕(1927~91)や福井育ちの三上誠(1919~72)など、17作家をとりあげます。どうぞ、お楽しみください。