千利休により創意された楽茶碗は、抹茶をいただくことのみを目的とした茶碗として考案されました。楽焼は主に黒と赤のふたつの色であり、後にその表に文様が加わりますが、どちらかといえば抽象的な存在です。
一方、水墨画にはより具体的な山水や人物、植物といったモチーフが描かれますが、基本的には彩色はせず墨の濃淡によって表現されます。
このたびの展示品はすべて藤田美術館の所蔵品で、楽焼は初代 長次郎から七代 長入までの茶碗や皿のほか、光悦などの作品も。水墨画は中国作品はもとより、日本の室町から江戸初期頃の作品を展示します。