平成17年秋に開館五周年を迎えるにあたり、特別展「広重画業展」を開催いたします。
歌川広重(1797~1858)は定火消同心の子として出生し、15歳頃に浮世絵師を志し歌川豊広に入門します。翌年には歌川広重の画号が許されますが、作品の発表は24歳頃からです。はじめ版本の挿絵や役者絵、美人画を中心に描いていましたが37歳の時に発表した「東海道五拾三次之内」が出版されると一躍浮世絵画壇で活躍するようになり、江戸名所、諸国名所、街道絵などの風景画を描くようになりました。しかし広重の作域は風景画の他にも多岐にわたります。
この度は一般に知られる風景画の他を役者絵、美人画、花鳥画、戯画、魚類、双六、歴史伝説画などさまざまな分野の作品を前期と後期の二期に分けてご紹介いたします。