文学者たちの手紙――恋人へ、友人へ、師へ、弟子へ。愛情、友情、共感、激励、同情…文面には、さまざまな愛の形が綴られています。それらの手紙は、作品では知りえない文学者の一面や素顔、時にはその心のうちやプライバシーにかかわる秘密までも、現在の私たちに伝えてくれています。また作品の背景や、作品理解の上での重要なキーワードが隠されていることも少なくありません。
今回の特別展では、文京ゆかりの文学者たちが交わした手紙を中心に、著書、自筆資料、遺品などを展示します。電子メールや携帯電話など速くて便利な通信機器の発達していない時代の、手紙という通信手段から伝わってくる豊かな心の交流と、ゆったりとした時間の流れに思いを馳せてください。