20世紀美術の巨星パブロ・ピカソ(1881-1973)。物の形を思いもつかぬ姿に描き出すその作風は、今も見る者を圧倒します。本展は、人物表現を中心に、1910年代から70年代までのピカソの仕事を約120点の作品で紹介いたします。
箱を積み上げたような印象のキュビスムの人体像、愛息ポールの顔、交際した女性たちをモデルに描いた数々の不思議な肖像画、子どものように奔放なタッチで渦巻く晩年の画面まで、このたびの出品作は全て、画家自身が特に愛着を抱いて手元にとどめ、彼の死後に妻ジャクリーヌが相続したコレクションにより選ばれました。彼女の亡くなって後、海外でもほとんど紹介されてこなかった同コレクションは、本展が日本初公開となります。巨匠の妻が愛の思い出とともに大切に守った充実のコレクション、それは秘められた天才のまなざしを明らかにする喜びを私たちに約束しています。