東洋古美術の宝庫として知られる出光美術館の貴重な所蔵作品の中から、桃山時代から江戸時代中期までの厳選された名品を展示し、優美な装飾性を誇る「京都」の「雅び」な世界をみていきます。
室町幕府が滅んだ後、国内再統一の気運の盛り上がりに、庶民のエネルギーが拍車をかけたこの時代。日本人は、襖や屏風で仕切られた室内に、蒔絵がほどこされた家具や陶磁器といった調度品を用い、「生活の中の美」として美術と工芸の世界を見事に融合発展させてきました。それらが互いに協調しあって、平安の王朝文化をよみがえらせ、また新たに創作を加味させて結晶したのが、いわゆる桃山様式です。本展は、雄大な障屏画や麗しい琳派の絵画、新鮮なデザインを完成させた仁清・乾山の工芸品、そして文人趣味の光悦の書を中心にした約70点で構成されます。
出光美術館が所蔵する日本古美術の名品を一括して館外へ貸し出すのは今回が初めてです。またとない好機として、ぜひ桃山江戸の美術の粋をお楽しみください。