日本人が初めてヨーロッパの絵を見てビックリ!それから描きだした洋風画の歴史。
桃山期の第一次洋風画の流入から、江戸時代に入って司馬江漢らによって本格的な洋画研究が行われ、幕末へと続く洋風画の歴史を、歸空庵コレクションの全貌を公開することにより概観します。
概要
桃山時代、キリスト教の伝導手段として持ち込まれた西洋画は、日本人が初めて目にするものでした。やがて日本でも洋風画が描かれましたが、キリスト教の禁止とともに洋風画は消えてゆきました。これを第一次洋風画の時代と読んでいます。
享保16(1731)年に来日した中国人画家沈南蘋による写生画法は一世を風靡し、続くオランダからの洋書や銅版画の流入と合わせて、第二次洋風画の時代が展開します。秋田蘭画を皮切りに、司馬江漢や亜欧堂田善が本格的な銅版画や油彩画の制作に挑んだのです。
ところで、歸空庵コレクションは秋田蘭画や司馬江漢の名品によって、その一部が知られています。当館では永らくこのコレクションの寄託を受け、少しづつ知られざる作品の紹介に務めて参りましたが、公開には限度があります。このたび、当館では歸空庵主のご理解を得て、コレクションの全公開に踏み切りました。
本展は次のように構成されています。
一、桃山の洋風画
二、長崎の洋風画
三、京都の洋風画
四、江戸の洋風画
其一、南蘋派から秋田蘭画へ
其二、司馬江漢とその周辺
其三、亜欧堂田善とその周辺
其四、眼鏡絵など
総数171件に及ぶ作品を、二回の陳列替によって展示いたします。
本展によって、日本における洋風画の展開の概略をご理解いただければ幸いです。