「果たして希望はあるのか」。今や多くの人が一度は抱いた感慨ではないでしょうか。地震や豪雨による激甚災害、コロナ禍、世界情勢悪化に伴う戦争の危機など不安の要素を数え上げればきりがありません。私たちは大きな時代の曲がり角に立っています。
このような状況において、私たちは絶えず自分自身を見失う危険にさらされています。いかにして自身を保ち、希望を抱くことができるか。どんなに時代が変化しても希望を持つことは大事です。なぜなら希望は生きる力だからです。こうした問いに直面したとき、導いてくれるのが芸術です。創造する精神はさまざまな示唆を私たちに与えてくれます。
この度、遠藤昭(1931ー)、貝野澤章(1948ー)、下川勝(1950ー)、山口泉(1955ー)の各氏の個展を同時開催し、希望を抱きがたいこの時代をいかにとらえ、希望を紡いだのか、希望とは何かを考えます。