伊丹市立美術館では「いのちを考える」をメインテーマに2001年から美術家を講師に迎え、 市内の中学生たちとのワークショップから展覧会に繋げる取り組みを行っています。 本企画は、当館が“諷刺とユーモア”“人間性の回復”を標榜しており、その一環として美術と社会との関わりについて、地元中学校の美術の先生方の全面的な協力を得て、毎年の夏休みを利用し美術館の内外でワークショップを行っています。
今年は、関西を中心に活躍している美術家・森口ゆたかを講師に市内の老人ホームなどの福祉施設において「アートの力」でもって入所者や利用者の方々を精神的に癒し、健康と人権の関係について考える機会にと位置づけています。老人ホームなどの福祉施設は、さまざまな人生を経て、生に寄り添う人々が起居する施設です。
私たちは、心に響くアートで自己の内面を見つめ直し、抱えている重荷を下ろすことができるホスピタルアートに可能性を見出したいと考えています。