戦前、パリ留学が主流であった中で、少数ですが、ベルギーに留学した芸術家がいました。画家の太田喜二郎と児島虎次郎、新潟出身の彫刻家・武石弘三郎です。
太田と児島は、ともにゲントの市立美術学校に通い、ベルギーの印象派の画家、エミール・クラウスからも学びます。武石は、ブリュッセル王立美術学校を優秀な成績で卒業し、帰国後は肖像彫刻の第一人者として活躍しました。戦前の日本で「炭坑夫の彫刻家」として人気のあったベルギーの彫刻家、コンスタンタン・ムーニエの日本への紹介でも知られています。
この度は、この3人の作家と彼らに関連するベルギーや日本の作家の紹介に加え、当時の印刷物や展示などにも着目しながら、戦前の日本におけるベルギー美術の受容について探ります。