政治がかわり、“美術”がうまれた激動の時
江戸幕府が倒れ、西洋文明が流入した明治時代(一八六八~一九一二)は、「美術」が産声を上げた時代でした。
「美術」という言葉が誕生し、博覧会が開催され、美術館が初めて設置されたのもこの時代。油彩画が描かれ、欧米好みの華麗な工芸品が数多く輸出されました。社会が近代化する一方で、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂もこの頃の重要な出来事です。
本展では、現代の「美術」につながる諸制度・文化が生まれた明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションをご紹介します。重要文化財 橋本雅邦「龍虎図屏風」、黒田清輝「裸体婦人像」など、当時としてはセンセーショナル、現代でも色あせない明治美術の優品をお楽しみください。