新たなる魅力 夢想の物語に遊ぶ
朝井閑右衛門(1901~1983)は、戦後間もなく横須賀市田浦にアトリエを構え、約20年この地に住みながら独創的な作品を描き続けた洋画家です。
1936年に大作《丘の上》を文部省美術展覧会に出品し、文部大臣賞を受賞、一躍画壇の寵児となりました。しかし時代が戦争へと向かう中、中国へと赴き、諧謔味のある水墨画や風景画を手掛けます。
戦後は、厚塗りのガラス台鉢や電線風景など彼の代名詞となる連作や、詩人たちの肖像、ドン・キホーテなど空想の物語に遊ぶ人物や華麗な薔薇を生み出します。
本展は油彩や水墨画、素描の代表作に加え、朝井の知られざる収集品かつ作品世界をかたちづくる骨董や人形や自筆の手帳、制作のための写真など約200点を紹介し、新たな魅力を検証します。