タイトル等
浦川大志|掲示:智能手机ヨリ横浜仮囲之図
会場
横浜美術館
横浜美術館前仮囲い(グランモール公園「美術の広場」)
会期
2022-11-14~2023-05-31
*予定
観覧料
無料
主催者
横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
概要
横浜美術館では、将来さらなる活躍が期待される若手アーティストを紹介する小企画展「New Artist Picks」を、2007年よりアートギャラリーなど館内の展示スペースで開催してきました。
大規模改修工事のため休館中の今回は、その特別版となる「Wall Project」として、横浜美術館正面のグランモール公園「美術の広場」に面した仮囲いで、2回にわたり若手アーティストの創作を紹介します。「村上早|Stray Child」展につづく第2回は、ミレニアル世代の感覚を描き出す、浦川大志(うらかわ・たいし/1994年生まれ)を紹介します。
浦川はデジタルネイティブとも呼ばれる、2000年代初頭に育ったミレニアル世代の作家です。作品にはインターネットやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の急速な普及がもたらした新世代の情報流通のありようが反映されています。
本プロジェクトでは、全て新作による5点の連作を紹介します。
仮囲いに向かって、左から順に「上空から捉えられた横浜」、「地上に立つ横浜美術館や中華街」、そして最後には「海中へと降りていく」という場面の展開があります。線と色面からなる抽象的な画面のなかに横浜ゆかりのモチーフが断片的に描かれますが、横浜との繋がりはそれだけではありません。
一風変わった展覧会タイトル「掲示:智能手机ヨリ横浜仮囲之図」は、浦川がインターネットを探索するなかで見つけた横浜美術館所蔵の歌川広重(三代)《横浜波止場より海岸通異人館之真図》(1870年代)に由来しています。これは当時、外国人居留地であった海岸通(現在の山下公園付近)で、交易品を積み終わり、出帆したばかりの米国船と、それを眺める人物を描いた作品です。画面の一番左手に立ち、おそらく海の向こうの米国船を指さしている二人が、今回の浦川の作品にも登場します。
ただし、指差すものは船のような自分の外にある対象ではなく、自らが描かれる仮囲い自体です。「仮囲いを見る彼ら」の姿は、自然と「実際の仮囲いを見る私たち」の視線に重ねられます。二人の指差しは、私たちに「見る」という行為へと意識を向けさせる仕掛けなのです。
タイトルにある「智能手机」は中国語で「スマートフォン」を意味します。今回掲出されるのは作品を拡大プリントしたシートですが、プリントの上から、浦川によってQRコードが計7か所、加筆されています。私たちがスマートフォンをかざして、QRコードを読み取るときにまた「見る」という行為に意識を向けることになるのです。
スマートフォンのカメラ越しに作品、あるいは世界を見るとき、私たちは単に被写体を見ているのではありません。言うまでもなく、「何か」を見たいからこそカメラを向けるのであり、今日であれば、「何か」をSNS等で共有したいからこそ、カメラを向けているかもしれません。
浦川の作品はそうした視線が示す「見る者の欲望」を喚起させます。ここで作品は広重(三代)の作品に描かれた外国船のように、「自分の外」にあるものではなく、私たち自身もQRコードの呼び掛けに応じて、作中に参入していくひとつの場として機能します。ショッピングモールのショーウィンドウに対面した仮囲いは、浦川の手によって、物言わぬ平面であることをやめ、ひとびとの視線と欲望の行き交わすメディアとなるのです。
イベント情報
浦川大志トーク「イメージと制作について」
将来さらなる活躍が期待される若手アーティストを紹介する小企画展「New Artist Picks」の特別版となる「Wall Project」に出品中の作家、浦川大志のトークを開催します。
浦川氏は、複数のデジタル画像のイメージを重ねながら、カンヴァスにアクリル絵の具を使用して風景画を描いています。本プログラムでは、イメージの作り方や制作プロセス等についてデモンストレーションを交えてお話いただきます。
日程 2023年1月21日(土)
時間 14時~16時
出演 浦川 大志(アーティスト、NAP Wall出品作家)
聞き手 南島 興(横浜美術館 学芸員)
進行 北川 裕介(横浜美術館 エデュケーター)
会場 PLOT 48 シアターおよび、オンライン同時配信
対象 12歳以上
定員 現地:PLOT 48 シアター 30名(要事前予約、先着順)
オンライン:Zoom 50名(要事前予約、先着順)
参加費 無料
申込方法 申込フォーム
【現地】
【オンライン】
【オンライン】申込の方へ
・インターネットに接続できる環境があり、web会議システムZoomを利用できる方が対象です。
・申込者全員にメールで参加方法をお知らせします。
・本プログラムに参加された際に画面を撮影しSNSなどで公開することは、ほかの参加者のプライバシー保護の観点からお控えくださるようお願いいたします。
※本プログラムのお申込み1件につき1つのメールアドレスが必要です。同じメールアドレスで複数回お申込みいただくと、最後に入力した情報のみ有効となります。
※「受付確認メール」(自動返信)をお送りします。すぐに届かない場合はご連絡ください。 登録アドレスに間違いがあるか、PCからのメール受信拒否が設定されている場合があります。特に携帯電話、スマートフォンでお申込の場合、@yaf.or.jpの受信設定をお願いいたします。
申込締切 2023年1月17日(火)
※先着順。定員に達し次第、受付を終了します。
お問合せ 横浜美術館 教育普及グループ
TEL 045-221-0366
10~18時
月~土曜(土曜以外の祝日、2022年12月29日[木]~2023年1月3日[火]をのぞく)
*プログラムに係る感染防止対策▶感染防止策チェックリスト [564KB]
*新型コロナウイルス感染症やその他やむを得ない事情により、プログラム内容の変更または中止をする場合があります。その際は、申込者全員にご連絡します。
*プログラム中の記録写真、映像を横浜美術館または横浜市芸術文化振興財団のウェブサイトや刊行物、その他媒体に掲載する場合があります。
*お預りした個人情報は、横浜市芸術文化振興財団個人情報保護方針に基づき厳重に管理するとともに、本プログラムに関するご連絡や、横浜美術館のご案内以外には使用いたしません。
ホームページ
https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20221114-580.html
会場住所
〒220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
交通案内
1. 電車
みなとみらい線 (東急東横線直通) 「みなとみらい」駅 <3番出口>から、マークイズみなとみらい<グランドガレリア>経由 徒歩3分、または<マークイズ連絡口>(10時~)から徒歩5分。
JR (京浜東北・根岸線)・横浜市営地下鉄「桜木町」駅から<動く歩道>を利用、徒歩10分。

2. バス
桜木町駅から、市営バス156・292系統で「横浜美術館」下車。

3. 車
桜木町駅前から日本丸方面へ入る。または桜木町駅前から紅葉坂交差点を右折してMM21地区へ入り、美術館へ。
横浜駅からは高島町MM21地区入口を通って美術館へ。
いずれも3~5分 (首都高「みなとみらい出入口」も利用できます)。

4. 自転車・自動二輪車
横浜美術館には自転車・バイクの駐輪場がございません。周辺の有料駐輪場をご利用ください。
ホームページ
https://www.yaf.or.jp/yma/
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
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