はまだ生まれの絵描きさん
しょうねん時代から絵に夢中
もでるは女の人が多いけど
とりや動物の絵も描いてるよ
めがねの奥のやさしい目
いっしょうけんめい見て描いた
じゆうな心で描いたんだ
橋本明治画伯は、今からちょうど100年前の8月5日、浜田町大字浅井(現在の浜田市田町)に生まれました。
幼い頃から絵を描くことが好きだった画伯は、ひとり通信教育で日本画の技法を学んでいきます。そして19歳の時、妹をモデルに制作した《ガラシャ夫人像》が島根県県展に入選し、画家になるという夢に向かって大きな一歩を踏み出しました。
画伯は、日本画の伝統にこだわらず、くっきりとした描線と鮮やかな色彩が印象的な、独自の作風を生み出したことで知られています。1940年、36歳の若さで法隆寺金堂壁画を模写するという大役を委任さた画伯は、'52年には《赤い椅子》で芸能選奨文部大臣賞、'55年には《まり千代像》で日本芸術院賞を受賞します。そして'74年には文化勲章を授与され、日本画壇における揺るぎない地位を確立しました。
この展覧会は、画伯の生誕100年を記念して開催するものです。最初の展示室では、浜田で過ごした少年時代から、東京美術学校に在学中の作品、そして橋本様式で制作された代表作を年代順に展示し、その画業を振り返ります。そして、静物画や素描を集めた部屋を通り、最後に舞妓の絵がずらりと並ぶ展示室をご覧いただきます。
約60点の作品を紹介する本展が、浜田市出身の巨匠・橋本明治画伯の芸術と、その人物像を多くの方に伝える機会になることを期待しています。