明治20(1887)年、勅令により日本の伝統的な美術を学ぶ場として、現在の東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校が設立され、明治22(1889)年に開校しました。文明開化に伴う急速な西欧化に対し、日本独自の美術文化を守り、継承していく必要性を思案していた岡倉天心(1863-1913)は、その中心となって開設・運営に携わり、芸術家たちの育成に奮励しました。
天心ゆかりの地五浦に所在する当館では、東京美術学校の学生たちが授業や入学試験、進級試験等で描いたとされる課題画を2850点所蔵しています。
本展覧会では、当館が所蔵する課題画コレクションの中から、臨画、デッサン、新案といった課題ごとに作品を紹介します。横山大観をはじめとする同校で学んだ学生時代の作品から、巨匠たちが若き日に積んだ研鑚の様子をご覧ください。