狩野派・土佐派は室町時代から江戸時代末期まで武門の棟梁や宮廷の貴族たちをパトロンとして活躍した絵師集団です。
本展のタイトルである「聚錦(しゅうきん)」には「大切な宝物を集める」という意味があります。今回はある所蔵家の方が集めた「宝物」の中から狩野派・土佐派を中心にお借りし、約40点を展示いたします。
本コレクションの特徴は、卓越した審美眼をもって美術史的に網羅された作品群であることに尽きます。狩野派では、狩野元信周辺の作と見られる扇面から桃山期の松栄、江戸狩野の祖・探幽へ、掉尾を飾る養信に至るまで、土佐派では室町時代の土佐光信周辺の作品から江戸時代前期の中興の祖・光起、そして住吉、板谷といった分派の作品まで揃っています。ぜひこの機会に、日本の二大官画派ともいうべき狩野派・土佐派の美に触れていただければ幸甚です。