現在の富山市内には、様々な戦国時代にまつわる伝承や史跡が残されています。かつて戦国時代に富山城が「安住城(あずみじょう)」と呼ばれていたこと、佐々成政が造らせたという「佐々堤」、「鼬(いたち)川」など比較的知られているものをはじめ、武田信玄や上杉謙信に焼き討ちされた寺社のほか、富山城を築いた神保長職(ながもと)が敵に追い詰められて切腹した際に腰かけた石、明智光秀を供養する墓など、知る人ぞ知るエピソードもありました。しかし、これらの戦国エピソードについて、そもそも「いつごろから」伝わってきたのかという点となると、ほとんど知られていないのではないでしょうか。
本展では、「とやま戦国伝承」の数々について、その内容や関連史跡の現況を紹介しながら、それらの成り立ちが果たしていつ頃まで遡ることができるのか迫ってみたいと思います。