様式や作家、時代、地域を超えて、「反復(繰り返し)」は、美術史上の重要なキーワードの一つになっています。「反復(繰り返し)」がポイントとなっている作品が多々ある一方、そのあり方は各作家により異なり、それぞれの個性をうかがうことができます。本展では、自分が見ている世界、無限に水玉が増殖する様を可視化させた草間彌生(1929 -)、近代社会の特徴であるスピードと動きのダイナミズムを表現したジャコモ・バッラ(1871 - 1958)、連続する凹凸の表面にあたる光により鑑賞者の位置や展示場所により表情を変える作品を制作したエンリコ・カステッラーニ(1930 - 2017)などの作品を取り上げ、「反復(繰り返し)」表現の可能性を提示するとともに、各作家の個性と各作品の意味を探ります。