笠岡市立竹喬美術館は2022年10月、開館40周年を迎えます。これを記念した企画の第一弾として、京都国立近代美術館の協力のもと、当館がこれまで収蔵した作品を中心に、竹喬の師匠である竹内栖鳳と京都の近代日本画の展覧会を開催します。
当館は、昭和57(1982)年10月1日に開館して以来、竹喬芸術を顕彰する美術館として、99回の特別展、154回の特別陳列を開催してきました(2022年開催の特別陳列「大正の文人画ネットワーク―加野コレクションを中心に―」展(3月1日~5月8日)まで)。小野竹喬や竹喬周辺の京都の日本画家を中心に、笠岡の美術に関連した作家など、これまでに開催した展覧会は多岐にわたります。
とくに竹喬が創設メンバーとなった国画創作協会については、近年、特別展「国画創作協会の全貌」を開催するなど、近代美術史の重要な運動という位置づけのもと、繰り返し企画展を開催してきました。また、国展出品作家の作品も数多く所蔵し、竹喬を中心とした近代日本画のコレクションを形成するに至っています。そして、竹喬に至る近代京都画壇をたどる企画として取り組んできた、楳嶺四天王(竹内栖鳳、都路華香、菊池芳文、谷口香嶠)を取り上げた展覧会シリーズは、2021年開催の特別展「歴史を旅する 谷口香嶠」をもって、一つの区切りをつけました。さらに、このシリーズ展の成果として四天王の収蔵品を拡充しました。
今後もさらに、当館の使命を果たすべく、近現代の京都画壇の諸相と魅力を、丹念に発掘紹介してまいります。まずはささやかながら、この40年間の成果をご覧ください。