20世紀美術の流れを方向づけた偉大なる画家ピカソとマティス。マティスはフォーヴィスム(野獣派)を主導し、ピカソはキュビスム(立体派)の中心人物として活躍しました。
フォーヴィスムの絵画は、木は緑、空は青といった物固有の色を完全に無視した、強く鮮やかな色彩で描かれています。批評家のルイ・ヴォークセルは、この原色と激しく奔放な筆触により描かれた絵画をフォーヴ(野獣)と比喩しました。1905年に起こった同グループには、マティスのほか、マルケ、ヴラマンク、デュフィらが参加しました。
1908年頃に始まるキュビスムは、フォーヴィスムとは対照的に抑制された色彩と静謐な画面を特徴とするグループです。初期に用いられた、描く対象を幾何学的な形態としてとらえる手法を、マティスが「キューブ(立方体)」と評したことが運動の語源となっています。ピカソとブラックに代表されるキュビスムは、その後「分析的」段階を経て「総合的」段階に進むことで、西洋の写実的伝統から開放された新たな表現への道をひらきました。
本展覧会は、フランスのボルドー美術館やドイツのルートヴィヒ美術館の協力により、ピカソ、マティスを中心に、フォーヴィスムとキュビスムと関連する画家21名による約100点の作品を展示いたします。