作品を鑑賞しようとする際に、画面のどこの部分をどのような順番で、目でたどっていくのかは、その絵の内容や表現方法によって、無意識のうちに導かれている場合があります。
どのような作品においても、画面のなかには視線が向かいやすい部分と、そうでは無い部分があり、それは色彩や構図、筆致といった表現的な要素に加え、そもそも何が表されているのかによっても影響を受けます。
作品のなかの主役や重要な役割を負っている部分は、一般的に視線が集まるように表現されますが、他にも、特定の動線を目でたどるように誘導するような表現もみられます。絵の構想や画家の意図によっても視線の導き方は異なり、作品ごとに様々な表現を確認することが出来ます。
今回は、作品のどこに目が向かうのかを意識して、理由も考えながらご鑑賞いただけると幸いです。また、特別展示として、ベルナール・カトランの《花》を展覧いたします。併せてご鑑賞ください。