画面に活力を盛り込みたいと、長年描き続けている間に獣道ができました。試行錯誤の末にやっと辿り着いたのがタテのグラデーション。一夜にしてパッと思いついたなんてとてもとても。水平線地平線・空線(これは造語)・物体のようなものすべてを面相筆で描き込んでいるうちに、だんだんと光を発し始めるではありませんか。自分はこれを光(または色)がささやき出したと思い、「ヨシ」となるわけです。これがタテのグラデーション(タテグラ)の原点です。もともと素っ気ない形や平面に視覚的うるおいはありません。ところが進めていくと酒でいえば酷、視覚的コクらしきものが………。いやはやこれは願望です。形あるものは象徴化し、形ないものは形象化し、抽象と具象過去と未来、自然と人工、これらの分水嶺を渡ります。「何か違う世界」と感じてもらえれば幸いです。今回はF120号4点、F100号1点、以下約25点ほどの作品で展開します。
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