福島県立美術館では開館以来、「福島の美術家たち展」「福島の新世代展」をはじめとして、福島県出身・ゆかりのアーティストを紹介する事業を継続的に開催してきました。そこで、このたび当館では新たに、近年充実した創作活動を繰り広げている若手アーティストをご紹介するシリーズ企画として、「福島アートアニュアル」を2021年度よりスタートいたします。
第1回となる本展では、漆芸家の吾子可苗(あこ・かなえ1980年 北海道生まれ、会津若松市在住)、彫刻家の黒沼令(くろぬま・れい1978年 岩手県生まれ、郡山市在住)の2名をご紹介します。漆を用いて植物の生命力や神秘性を表現する吾子。木材を複雑に組み合わせ、静かな空気感をまとった人の姿を表す黒沼。それぞれの“かたち”が生まれるとき、彼らはどのような想いで創作に向かっているのでしょうか。震災を経て、コロナ禍にある私たちと同時代に生きる彼らの創作活動の一端をご覧ください。
これからさらなる活躍が期待される郷土のアーティストをご紹介することにより、彼らの創作活動への関心が高まるとともに、アーティストを支える風土や、美術を核としたつながりをはぐくむ一助となりましたら幸いです。