悠然と漂う空洞のような生き物を描いている。
ふと窓の外を見ると、漂う雲が大きな鳥に見えた。
その時、今まですっかり息を止めていたことを思いだして、大きく深呼吸した。
雲はゆったりと流れ、ちぎれては取り込まれ、形を変えながら正体をとどめない。
次に振り返ったときには、もういなくなっている。
わたしたちの抱えるいびつさや矛盾、不完全さ、孤独。
そういうところに人間らしい素朴な美しさを見出している。
すべてはいびつなものたちによる、やさしい物語である。
ふと自然に目があって、息をすることを思い出すような絵が描きたい。
さかい はるか