谷内こうたは1971年、22歳のときに3作目の絵本『なつのあさ』で日本人として初めてボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞、鮮烈なデビューを果たしました。そぎ落とされた絵と詩のようなことばで展開する絵本は、日本でもヨーロッパでも驚きをもって迎えられました。移り行く光や空気を色の変化で表し、現実と空想の世界を自由に行き来する谷内の絵本は、今も見るものを魅了し続けています。
ドイツやフランスの四季折々の自然や街並みを愛した谷内は、35歳のときに家族とともにノルマンディーに移住し、アトリエを構えて数多くの油彩画も描きました。
本展は、2019年に72歳で亡くなった谷内こうたの初の回顧展となります。絵本原画や雑誌の表紙絵、初公開作品も含めたタブローなどを、数多くの資料とともに展示し、その画業の全体像を紹介します。