今年度3回目の吉野石膏コレクションでは、寅年にちなんで松尾敏男≪虎児≫や鍋島能達≪虎≫を展示するほか、炬燵に入って暖を取る女性が描かれた上村松園の≪冬≫、朝日が昇った様子を描いた横山大観の≪旭日≫など91点の作品を展示します。
伊藤若冲≪萬歳≫は、新年を言祝ぐ伝統芸能「萬歳」を行う3人組を描いたものです。左側と右の手前の人物は扇を持って舞う"太夫"右奥で太鼓を叩いているのが"才蔵"です。彼らの着物には松と橘が描かれており、どちらも縁起のよい絵柄です。若冲の緩急自在な筆遣いで描かれた人物から、軽快に踊っている姿が伝わってきます。
本展では他にも近代に制作された日本画家の作品を展示します。新年の美術鑑賞をお楽しみください。