江戸時代、臨済宗中興の祖・白隠慧鶴(1685~1768年)は、出家・苦行・成道に続く遊行、説法の晩年期、民衆にわかりやすく禅を伝えるため、「釈迦図」や「達磨図」、「観音図」をはじめ、豪放にして時にユーモラスかつ慈悲心に満ちた書や画を数多く制作しました。自らが到達した禅の境地を、技巧にとらわれずストレートに表現した白隠の斬新な書画は近年、高く評価されています。本展は、都・臨済宗・五山禅林・仏教と深くかかわる白隠の生誕320年を契機に、白隠コレクションで知られる細川家ゆかりの財団法人 永青文庫と、白隠が住した松蔭寺(沼津市)所蔵の代表作を網羅した、かつてない規模の展覧会となります。凄まじい迫力と溢れる慈悲心で、見る者を圧倒する白隠の書画芸術をご堪能ください。